オーストラリアで働く皆さん、お疲れ様です! 6月末の年度末が近づくと、街でもSNSでも話題に上がるのが「タックスリターン(確定申告)」ですよね。
「税金が戻ってくる!」とワクワクしている方も多いと思いますが、実は「ある手続き」を忘れるだけで、本来払わなくていいはずの税金を数千ドル単位で損してしまう可能性があることをご存知でしょうか?
その正体が、メディケア税の免除申請(MES)です。
私はこれまでのタックスリターンの申請はすべてエージェントを通さず、完全自力で完結させてきました。 必死に稼いだ大切なお金を1ドルたりとも無駄にしたくないという思いで、毎年最新のルールを調べ、自力で手続きを積み重ねてきた経験があります。
今回は、これからのタックスリターンをスムーズに済ませるために、自分でできる最大の準備「メディケア税の免除申請(MES)」のやり方を、どこよりも分かりやすく解説します。
1. そもそも「メディケア税」って何?なぜ払わなくていいの?
「少しでも多くタックスリターンをもらいたい」のであれば、まずはこの「メディケア税」の正体を知る必要があります。
①一言でいうと「オーストラリア版の国民健康保険料」
オーストラリアには「Medicare(メディケア)」という、誰でも無料(または低額)で医療を受けられる公的保険制度があります。日本でいう「国民健康保険」のようなものだとイメージしてください。
この制度を維持するために、オーストラリアで働く人が所得から一律2%支払う税金が「Medicare Levy(メディケア税)」です。所得が$50,000の人なら、$1,000(約10万円)。これが、タックスリターンの計算時に所得税とは別に徴収されます。
②日本人ワーホリは「払わなくていい」理由
なぜ私たちが免除されるのか、その理由は非常に明確で、日本とオーストラリアの間には医療に関する「社会保障協定」がないからです。
通常、現地の健康保険(メディケア)はオーストラリア人や永住者のためのもので、一部の国(イギリスやイタリアなど)は協定があるため利用できますが、残念ながら日本人はその対象に含まれていません。
つまり、状況を整理するとこうなります。
オーストラリア人: 保険を使えるので、2%の保険料を払う。
日本人ワーホリ: 保険を使えないので、2%の保険料を払わなくていい。
オーストラリアの税法では、「保険を使えない立場の人から、保険料を徴収してはいけない」とハッキリ定められています。そのため、使う権利がないサービスの代金を支払う必要がなく、この「余計に引かれてしまう2%」は、正当な手続きをすれば丸々あなたの手元に返ってくるべきお金なのです。
③手続きをしないと、自動的に「2%」引かれる
ここが罠です。タックスリターンの申請時、何も証明(MES)を持っていないと、ATO(オーストラリア国税庁)はあなたを「保険の受益者」とみなし、しっかり2%の税金を徴収します。
年収が$50,000なら、$1,000です。この大金をみすみす手放すのは、あまりにももったいないですよね。
2. なぜタックスリターン本番(7月)を迎えたら「真っ先に」やるべきか?
オーストラリアにまだ滞在中の場合、この免除申請(MES)は会計年度が切り替わる「7月1日」にならないと申請することができません。
※すでにオーストラリアから完全出国している場合は、7月になる前でも早期申請が可能です。
「じゃあ、7月1日になってからゆっくりやればいいか」と思うかもしれませんが、実はここに大きな罠があります。タックスリターンを最速・最高額で終わらせるためには、7月1日になった瞬間に真っ先にこのMES申請を終わらせる必要があるのです。
理由は大きく分けて2つあります。
① 証明書(MES)の発行には時間がかかる
この「メディケア税を免除していいですよ」という証明書(MES)は、申請してすぐその場で手に入るものではありません。私の経験上、早くて1週間、長くて3週間の時間を要しました。
タックスリターンの本番(myTax)で「免除」を適用して還付金を増やすためには、この申請が承認されていることが前提となります。もし申請が遅れれば、タックスリターンの申請も遅れ、その分「本来戻ってくるはずの還付金を受け取れる時期」がどんどん後ろにズレ込んでしまうのです。
② 【最初だけ!】一度リンクさえしてしまえば、来年からは一瞬で終わる
初めてこの申請をするときは、myGovに「IHIサービス」を新規でリンクさせたり、身分証明書の確認があったりと、7月1日の解禁日にやると正直少しだけ手間に感じるかもしれません。
しかし、安心してください。この面倒なリンク設定が必要なのは「最初の1回目」だけです。
一度myGovとリンクさせて申請を完了してしまえば、2回目、3回目のタックスリターンを迎える際、次年度以降の申請はログインして数分ポチポチするだけで一瞬で終わるようになります。ビザを延長して長く滞在する予定の人こそ、最初の1回目を早めにクリアしておく恩恵は大きいです。
③ 「7月1日のスタートダッシュ」がプチボーナスへの近道
せっかく必死に働いて納めた税金ですから、1日でも早く、そして1ドル残らず手元に取り戻したいですよね。
完全に出国した人以外は7月1日まで申請ボタンは押せませんが、必要書類(パスポートやビザのPDFデータ)を事前にデスクトップに用意しておくなどの準備はいつでも可能です。7月1日を迎えたら、myTax(タックスリターン本番)に手を付ける前に、まずは何よりも先にこの「MES申請」を終わらせてスタートダッシュを決めましょう!
3. 【完全図解】メディケア免除申請の全手順
ここからは、実際に私がメディケア免除を申請した手順を画面付きで解説していきます。
ステップ①:IHIサービスをmyGovにリンクする
myGovにログインし、「View and link services」へ進みます。
一覧から「Individual Healthcare Identifiers service(IHI)」を選択してリンクさせます。
指示に従って、個人情報などの必要事項を記入して提出します。
ステップ②:MESの新規申請
myGovのサービスから再度「Individual Healthcare Identifiers service」を選択します。
IHIサービスのトップ画面から「Go to MES Dashboard」を選択します。
「Apply for a MES」を選択します。

ステップ③:申請内容を入力
- 「Get Started」を選択します。
タックスリターンと同じ会計年度(例:「2025-2026」など)を選択します。
個人情報(パスポートの情報)と連絡先情報を入力します。


証明書の受け取り方法を選択します。オンライン(myGov Inbox)が早くておすすめです。
画面に沿って以下の質問事項に回答していきます。
・オーストラリアに来る前に6カ月以上滞在した国と滞在期間(国名と期間)
・対象国の健康保険を所有しているか?(Yes or No)
・対象国出身者でオーストラリアに学生ビザで来ているか?(Yes or No)
・永住権を申請したことがあるか?(Yes or No)
・書類のアップロードが必要であれば提出
- 最後に、次の画面が表示されれば申請は完了です!

4. MESが届いた後の「タックスリターン」への反映方法
申請から数週間後、myGovの「Inbox(受信トレイ)」に承認の通知が届きます。 証明書(MES)が無事に手に入ったら、7月1日以降にmyTaxでタックスリターンを行う際、以下の通りに入力します。
Medicare levy exemption の項目を探す。
「Were you in a category of foreign residents…」という質問に 「YES」 と回答。
オーストラリアの滞在日数「免除日数(通常は1年丸々いれば365日)」を入力。

これだけで、計算上の還付金がグンと跳ね上がるはずです!
5. よくある質問(FAQ)と注意点
Q. 帰国した後でも申請できる?
A. できますが、日本に帰ったあとにmyGovへログインしようとすると、SMS認証(オーストラリアの電話番号)ができなくなるトラブルが多発します。オーストラリアの電話番号が生きているうちに、MESの申請までは絶対に済ませておくのがベストです。
Q. システムの画面が変わっている気がするのですが…
A. myGovのインターフェースは予告なく頻繁にアップデートされます。基本的な入力内容や流れは同じですので、ボタンの名称(Medicare DashboardやApply for a MESなど)を目印に探してみてください。
6. まとめ:賢く手続きしてオーストラリア生活を満喫しよう!
今回解説した「メディケア税の免除申請(MES)」をしっかりと行い、正当な権利を使って本来払わなくていい2%を上乗せすれば、タックスリターン時に手元に戻ってくる還付金はグンと跳ね上がります。
ちょっと手間に感じるかもしれませんが、返ってきたそのお金で現地のおいしいご馳走を食べたり、ずっと行きたかった場所へロードトリップや旅行に出かけたり……使い道を想像するだけでワクワクしてきませんか?
自分で賢く手続きをクリアして、賢く掴み取ったボーナスで、限られたオーストラリアでの生活を思いっきり満喫しましょう!
この記事が、あなたのタックスリターンの助けになれば幸いです。



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